(↑の宇内一童さんのブログ記事を読んで書きたくなりました。僕がブログの賞を取ってから1年も経ったんだなーと思って記事にしました)
デイリーポータルZ新人賞2017 in ダム - デイリーポータルZ:@nifty
デイリーポータルZの新人賞がある。締め切りが4月2日なんだけど、webでライターをやりたい人はいますぐ応募すべき。
応募しなくても↑のサイトに置いてある「虎の巻」っていうファイルがあってそれがものすごく勉強になるからダウンロードした方が良い。長年ライターをやっている方々の「記事の書き方」や、「取材の仕方」のノウハウが詰まっている。めちゃくちゃ勉強になった。
(僕が去年に賞をとった記事)
僕は去年にデイリーポータルZとオモコロが共同でやったおもしろ記事大賞というもので、「デイリーポータルZ賞」をもらった。そして今は月に2回デイリーポータルZで記事を書かせてもらえている。
あの賞を取ってから1年経ったけど生活が激変したなーと自分で思う。もちろん良い意味で。
金持ちになったとか有名になったとかではないけど(そうなってほしいけど)、毎週のようにどこかに取材に行ったり、ネタを考えたり、記事を書いたりして、休みの日がめちゃくちゃ楽しくなった。
僕は趣味が小さいころから何もないので、記事が書けて取材ができる生活がありがたい。楽しすぎる。それでお金がもらえるってもんだからラッキーこの上ない。
色んな世界を「取材」という名目でのぞけるから、知らなかった世界を見ることができる。カバディとか盆栽とかテルミンとかおもしろかったなぁ…!
(2016年1月のアクセス数。誰もブログ見ていないことがわかる)
去年の1月頃なんてブログは一ヶ月に二回とか書けば良い方だったし、アクセスなんか一ヶ月で500PV行けばよかったくらいなレベル。一日じゃなくて一ヶ月で500PVだからね。
そんな僕ですが賞をもらって、デイリーポータルZで書くようになってからは運がいいことに、色んな媒体で書かせてもらえるチャンスが増えた。
さっきも言ったけどデイリーポータルZでは月に2回で書かせてもらっている。
あと価格.comマガジンでも、今年の始めくらいから月に一回くらいのペースで書いてる。
それからSUUMOタウンや、楽天のそれどこ、リアル脱出ゲームのSCRAPなどでも書かせてもらえた。
運がいいと本当に思う。デイリーポータルZで書いた記事を誰かが読んでくれて依頼がきて、そこで書いた記事がまた誰かに読まれてさらに依頼がきて…って流れで少しずつ仕事させてもらえるようになった。
これに関しては実力は1割で運が9割だと思う。(謙虚に言っているとかでなく)
ただ、その運の流れが作れたのは間違いなく賞をとったからだ。あれがなければ何も始まらなかった。
それから初めて書く媒体がデイリーポータルZでよかったと思う。編集長である林さんが本当に自由に書かせてくれる。
何のネタ案をだしてもそこから面白さをみつけてくれる。(もちろんネタとしてだめなやつもあるけど、たいていは書かせてくれる)
例えばさっきリンクを貼ったふりかけのゆかりの記事も、「ゆかりが好きなんですけど書いて良いですか?」って言ったら、「いいね。好きな部分を全面にだして書いたら多分バズるよ」って言われて案をふくらますアドバイスをもらった。そしてアドバイスを参考にしつつ好き勝手に書いたら本当にバズった。
普通だったらゆかりの記事なんて「それブログで書けば?」で終わってしまうかもしれないが、思いつきの意見からおもしろさを見出してくれる。
あと自由に書かせてもらえるから、何かに固執しただけの記事を書かないでいい。例えば媒体によっては、美味しいお店を紹介する記事だったり、子どもがテーマの記事が中心だったりと決まった狙いがあるが、デイリーポータルZはそれが「おもしろいかどうか」なので、記事のテーマが自由だ。色んな記事が書ける。
僕の場合はボードゲームやったり、街中で奇抜な格好の人にインタビューしたり、フィギュアを大量に飾るうどん屋に行ったり、ヲタ芸をやったり色々だ。全部楽しかった。
あとデイリーポータルZの会議に参加すると、webで生きている人のすごさがわかる。おもしろ系の記事を書いてるライターさんは0→1を作れる人が多く、その発想に驚く。自分の発想では絶対にでないものがポンポンと山のようにでてくる。どうやって思いつくのか本当にわからない。
天才しかいない。
こういった記事を「くだらない」で片付ける人はいるかもしれないけれど、これを思いついて実行するまでの発想と手間を考えてみてほしい。
僕はお店の紹介や、おもしろい人を呼んで一緒になにかやるネタしか思いつかないので、そういった「無から企画を生み出す」ことができる人を尊敬する。
そして今回のこの賞に応募して受かることが出来れば、そういったすごい人達と話せるチャンスがある。(と思う!)
「デイリーポータルZとかよく知らないしなー」
って人も記事のおもしろさに自信があれば応募すべきだと思う。
大きい声では言えないが僕は応募するまでデイリーポータルZを知らなかった。というより、ライターの人はヨッピーさんとARuFaさんしか知らなかった。去年に応募したときは、僕はオモコロの存在を知ったばかりで、おもしろ系の記事を見始めた時だったからだ。ネットのおもしろ記事を「〇〇さんがおもしろい」「〇〇のサイトがおもしろい」という観点で見ていなかった。(patoさんという伝説的な存在は高校生のときに知っていた)
そもそも僕は記事を書く仕事がしたかったわけじゃなくて、アイドルの記事が書けてそれがほんの少しバズって、たまたまそのときに賞の応募があったから出してみたら、たまたま賞がもらえただけなのだ。運しかない。
ちなみにブログに書いたアイドルのライブ自体も友人と年末に飲んでいるときに「一緒に行く?」とたまたま誘ってもらって行った。幸&運。
ちなみに僕は賞をとって、デイリーポータルZで書けば勝手にTwitterのフォロワーが1000人とか一気に増えると思ってた。そんなことはまったくなかった。
当たり前だけど、自分が有名になったわけではなく、有名なサイトで書けるチャンスがもらえているだけだ。
だから僕は今かなり苦戦している。
おそらくwebで記事を書く仕事がもらえるパターンって、
ネットで話題になるようなキャラや個性がある
↓
「あの人おもしろいな」と誰かに気づかれる
↓
記事を書く依頼がもらえる
という流れが多いと思うのだけど、僕はたまたま賞が取れただけだからキャラも何もない。何もないまま記事を書いている。戦場に武器を持たずに裸で来てしまった。
そもそも僕が賞を取った記事を見てもらえばわかると思うが、おもしろいのは僕ではなく後輩のアイドルのライブの内容なのだ。
記事を書く仕事をする前は、僕は友人の周りでは「モテない」キャラとしてそれなりに笑いがとれていた。だから自分に個性があると思い込んでいた。
しかし世界は広い。そのキャラはまったく通用しない。というより「モテない」というキャラをやっている人はネットにごまんといる。個性にならない。あくまで学生が「俺おもしろいだろー!」とクラスで意気がっているレベルなのだと痛感した。
デイリーポータルZでもおなじみの地主さんという最強の存在や、東大生で童貞の高野さんみたいに強烈なキャラでないと人の記憶には残らない。僕はそれらの存在を初めて知ったときに、そのキャラで戦っていくのは無理だとすぐに察した。PCの画面の前で震えるほど戦闘力の差に愕然とした。
だから毎日ネタを思いついたらメモして、記事を書くようにした。27歳目前にして自分の方向性を模索中だ…キャラや強みがある人がうらやましい…!!
だから時々だけど
「自分なんかより、あの人の方がTwitterでのフォロワー数も多いし拡散力もあるし、あの人が記事書いたほうがおもしろいんじゃないか?」
悩むことがある。結局は頑張るしかないんだけど。
だけど、すごいサイトで書かせてもらえていると「自分はすごい人間だ」とたまに勘違いしてしまうときもある。天狗になってしまうのだ。でも当たり前なんだけど、広大なネットの世界では誰も僕のことを知らない。
だからもっと自分自身の価値を向上させようと、今年は365日ネットに何か上げ続けるとかをやっている。たまたま賞が取れて運よく仕事ももらえるようになったので、今年は思いっきりネットの世界でもがこうと思った。荒波を泳ごう。
この試みが効果あるかどうかは謎だけど、年末に「今年は頑張ったなー」って言いながら旨い酒が飲みたい。だから続ける。
自分自身に価値はまだないけれど、書かせてもらっているサイトのいくつかの記事は「おもしろい」と言ってもらえるものもあったりして、やっぱり賞をとって記事がかけるようになってよかったなーと思う。
有名なサイトで書くので時々叩かれることも当然あるけど、でもやっぱり自分が考えて時間をかけて書いたものが人に見てもらえるってうれしい。
デイリーポータルZで書けなかったら、僕は人生に何も楽しみもないままダラダラと過ごしているだけだったと思う。
さて…長々と読んでもらってありがとうございました。
途中から気づいた人もいるかもしれないが、僕がこの記事で本当に言いたいのは、
「デイリーポータルZの新人賞に応募しようぜ!」
ってことではない。
「賞をもらってデイリーポータルZで記事が書けるようになってよかったー!!!」
ということを自慢したかっただけだ。
次の新人賞が決まってしまえば、もうこういった自慢の記事は書けない。僕がこれを言えるのも残り時間わずかだ。それを最後に自慢したかっただけだ。デイリーポータルZ賞を去年取った旨味を最後の一滴まで絞り尽くすんだ…!
そしてここまで書ておいて言うのもなんだけど、僕より個性があっておもしろい人は応募しないで欲しい。
「あのときの新人賞以降はmegayaくんよりすごい人はいないね。megayaくんに賞あげてよかったよ」
と、5年後くらいに飲み屋でふとした瞬間に編集長の林さんに言われたい。僕よりすごい人がでてきてしまったら、その人が言われることになるからその夢は一生かなわない。
だから本音を言うと応募した人もれなく全員落ちて欲しい。
(両方応募とかしても良いのかな?もし両方取れてしまったらそれこそ一気にスターになれそう。羨ましい)
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