(ママチャリ日本一周の記事一覧)
(前日の記事)
山口県の下関の公園で起床
下関にある公園で起床。ビルとビルの間にあるキレイな公園でけっこう目立つ場所だったから、むりやり草むらの後ろに隠れて寝た。
完全に野営だよ。メタルギアソリッドだよ。かなり目立つところだから早く出発しないといけない。
しかし今日は起きるのが遅かった。いつもは6時くらいには起きているんだけど、前日寝ていなかったのでこの日は8時過ぎに起きた。公園にはけっこうな人がいて、テントから顔だけを出した僕を奇異の目で見ていた。
カフカの変身の主人公も初めはこういう気持ちだったのだろうか。テントにくるまれながら芋虫の気持ちを思う。
テントからだらだらと這い出てベンチに座ってご飯を食べる。今日の目標は長門市だ。「長門」という名が出たから一応言っておこう。長門は俺の嫁。
自転車での日本一周での洗濯について
とりあえず最初は洗い物がたまっていたので、コインランドリーを探すことにした。
僕の旅では四国あたりから洗濯はすべて手洗いにしている。公園などで水道を探して、ポンプ式の石鹸で洗う。洗ったあとは自転車に衣服をくくりつけて、走りながら乾かす。なんとも原始的な方法だ。
しかし季節は夏なので、自転車で走ればすぐに乾く。原始の時代最高ー!
ただこのやり方がだと天気が悪い日が続くと洗濯ができない。
そうなったらコインランドリーで一気に洗ってしまう。ここ最近はまさに天気が悪かったので、今日はコインランドリーに行く予定だ。やっぱり現代の力最高ー!!
しかし、このコインランドリーがなかなか見つからないものなのだ。この旅でけっこう困ることの一つだ。
どうでも良いときに限ってすぐに見つかって、自分が欲しいときになかなか見つからない。「探し物はなんですか?見つけにくいものですか?」ってずっと井上陽水が歌っている。うるさい、カバンにも机にもコインランドリーが入るわけねーだろうが。
この日もなかなかコインランドリーが見つからず、1時間くらいかけてようやく発見した。そして最悪なことに探している間にまたカバンが壊れた。
仕方がないので、コインランドリーで洗い物をしている間に、裁縫道具を使ってカバンを直すことにした。持っているものもボロボロになってきたなー。
長門市を目指してひたすら直進
長門市へは191号線をしばらく真っ直ぐ走ればいいだけなのでわかりやすい。ただこういう地味な坂が続いた。以外にこれがキツイんだよな…
ひたすら真っすぐ走り続けたところでスーパーを見つけたので食事にすることにした。バリューハウス…?初めて見た。
適当に昼ごはんを済ませたら一気に眠気がやってきた。やっぱり前日に寝てなかったツケがきた。仕方なくスーパーから少し離れて30分だけ昼寝することにした。暖かくて気持ち良い。速攻で眠りにつくことができた。
昼過ぎになると天気もよくなってきており、夏らしい日差しを見せてきた。久しぶりに天気よくてテンションあがるなー!最近雨の日が続いていたから心も荒んでいた気がする。やっぱり雨の日って精神的にクルものがあるよな…
最近になって気づいたんだけど、地方の海沿いの道はたいてい歩道が狭い場所が多いのでかなり危険だ。人が歩くことが想定されてないのかもしれない。
こういう道を走ってるとけっこうクラクション鳴らされて怖いんだよな…!
走っていると急にお腹が痛くなってきたので、コンビニに寄ってトイレに行くことにした。
アルバイト募集の張り紙を見て、神奈川よりも最低賃金が100円も安いことに驚いた。いや、高校生以上しか募集してないから最低賃金はもっと安いかもしれない。
こういったバイトの募集を見るだけでも、地域によって色々と違うんだなーと改めて感じる。
すぐにコンビニを出ようと思っていたが、3月のライオンの読んでいない巻が置いてあったから立ち読みすることにした。当時は4巻が最新とかだったと思う。
ああ…おもしろい。やっぱりこの漫画素敵だ…!!(このときは立読で済ませているが、2017年3月28日の現在には全巻所持している)
今日の道のりは畑道が多かった。畑を見ると地元の風景を思い出す。懐かしくて胸がしめつけられる思いがする。しかし2秒後には肥料の臭さで目が覚める。胸じゃなくて鼻がしめつけられているだけだったかもしれない。
臭い…!けどこの臭いでも地元を思い出す…
そこから坂を登って降りてを繰り返し、やっとの思いで長門市に到着。
長門ーーーー!俺だーーーー!!!
今日は60kmくらいしか走っていないので、かなり早く着いた。
バスケットゴールがあるところの近くに橋があったので、そこで寝ようと思った。しかし、外国人の親子が3人で遊んでいたので、その光景を邪魔しないようにとりあえず買い物に行くことにした。
アメリカかよ、ここは。親子3人でバスケとかドラマみたいだな。
シイタケの天ぷらとかキュウリとか、食パンとかまるで脈絡のない夜飯を購入して食べる。そして我慢できてなくマヨネーズを購入してしまった。
久しぶりのマヨはやばい…!マヨネーズだけ吸って食べられるレベル…慎吾ママの気持ちが今わかった。
そして外国人の親子がいなくなったのを確認してからテントを立てることにした。やっぱり橋の下は落ち着くな…!!
今日は少し早く到着したので、少しこの辺りを散歩してから眠ることにした。
自転車での日本一周にでてから約1ヶ月が経った
(川沿いにバスケットコートがあって、道路も舗装されていて、漫画に出てきそうなキレイな場所だった)
ボーっと歩きながらこの旅を思い返して見ると、神奈川県を出発してから約1ヶ月が経った。引きこもって部屋の隅にいたはずなのに今は本州の最南端の方にいる。遠くまで来たものだ。
自転車が壊れたときは旅も終わりかと思ったし、まさかママチャリに乗り換えてここまで来るとは思わなかった。
ここまで順調に走ってきたが、僕には残り時間が少なかった。この旅はあと残り2ヶ月で終えなければならない。本当は北海道や沖縄にも行きたかったのだが、僕には時間がない。
なぜ時間がないのかというと、母にお願いをされていたからである。家を出発してから数日後に母から連絡があったときに、
「心配だから3ヶ月程度で戻ってきてほしい」
と言われていた。
家出をしてこの旅をしている僕には断る選択肢などなかった。この約束はなんとしても守らねばならなかった。これ以上、家族に迷惑をかけることはしたくなかった。
「北海道や沖縄に行かないで、日本一周を語るな」という人もいるかも知れないが、僕にはそういった事情もあって早く家に帰らなければいけない。
この旅が最後にして最大のわがままにしようと心に決めている。だから残り2ヶ月でなんとかやり遂げなければならない。周りがなんと言おうと、残り時間内で僕は僕の道を進まなければならないのだ。
…と、ここまでカッコよく語っておいてあれなんですが、早く帰らなければならないのには、実はもう一個かなり大きい理由がある。
実はもう残金が少ない。
多少観光もできるくらいはあるが、節約していかないと途中で残金が尽きる可能性がかなりある。自転車は途中で修理にださなきゃいけないし、病気になることだってあるかもしれない。そうなった場合に一気にお金がやばくなる。
母のお願いもあるけど、実際は生きるか死ぬかのお金問題の方が大きい。
だからなんとしても猛ダッシュで進まないといけない。速く進めば当然お金使わなくて済むからね。
散歩を終えてテントに戻って、この先のルートを確認することにした。
「どのくらいのペースで進めばいいのだろう?」と思って、ここから青森までの距離がどのくらいなのかざっと計算してみた。
青森まで1700km
うん、計算しなきゃよかったわ。明日から絶望しか見えない。これしかもここから青森までの直線距離だからね。まだ青森からゴールの神奈川の距離も残ってるからね。
うん、寝よう。寝て忘れよう。
もういいや。
忘れよう。
お母さん…
なんであのときに「3ヶ月以内」って言ったんですか?
「旅なんてくだらないことやってないで今すぐ帰ってきなさい」ってなんで言ってくれなかったんですか?
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さてこっからいよいよ折り返しの後半戦!
こっからはガンガン進んでいく。そしてなくなっていく財布のお金にガンガン涙目になってくる。
いやしかし今考えて1ヶ月色々とあったなーと思う。同じ旅しろって言われたら絶対にしたくないね。
でも「3ヶ月以内で帰ってきてほしい」と母に言われておいてよかった。言われてなかったら今頃どうなっていたのか…考えただけでも恐ろしい。
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