秋田県 にかほ市の海沿いで起床
今日は廃墟の裏で起床した。廃墟って聞くと「危なくない…?」というイメージがあるかもしれないが、芝生が生い茂っていたりすると誰も来ないので、逆に安全だったりする。(信憑性は薄い)
地面も芝生みたいなのが生えていて背中も痛くなかったので快適だった。近くに高校があるのか夜20時くらいまでサッカーを練習する音が聞こえていた。
ナイターでやっていたっぽいからおそらくお金のある私立高校なのだろうけど、にかほ市ってサッカーが強い高校あるのかな。ああいう頑張っている音って聞いていて気持ちがスッキリとする。
朝ごはんは食パンと缶詰のコーン。このコーンがものすごく美味かった。甘い食べ物ってあんまり口にしていなかったから、コーンがいつも以上に甘く感じる。試しに買ってみてよかった。
缶詰だから腐りにくいし、これは常備しておいてもいいかもしれない。量も多いし、78円という激安なのもありがたい。
朝飯(8割はコーン)を食べてからコンビニに寄ってみたら、ハンターハンターが売っていたので立ち読み。帯に「アニメ化」の文字があって震えた。うおぉ…早く旅を終わらせて見たい……
数年後にアニメでキメラアント編のラストを見て、嗚咽を漏らすほど号泣することになることを、このときの僕は知る由もない。ハンターハンター最高!
秋田市へ、そして久しぶりのパンク……
今日は秋田県の五城目町(ごじょうめまち)というところを目指している。70kmほどなのでそれほどたいした距離ではないのでゆっくりと走れる。
この日も快晴で太陽がまぶしく、走っていると風が気持ちが良い……
自転車って最高〜〜〜〜〜〜
と、そう簡単に上手くはいかなかった。まず、にかほ市から本庄市を目指して走っていたのだけれど、アップダウンがある道のりだったので、かなりきつかった。足腰にくる。朝食べたコーンがパチンコの確変のように口から全部出そうになる。
ここ最近は平坦な道が多くてゆっくり走っていたから余計に辛く感じた。楽をしすぎるのはよくない。ゆとり教育の弊害だ。
しかし出発が早いこともあり、本庄市には予定よりかなり早く着いた。なので本庄市を素通りして、そのまま秋田市に向かうことにした。
さっきまでのアップダウンの辛い道のりも超えたし今日は楽勝っぽいな!!
いよっしゃ!ここからは爆速で行くぜ!!
と思っていたのいたのだが、読みが完全に甘かったことを思い知らされる。
本庄市→秋田市を走っている間にコンビニやスーパーがほとんど見当たらなかったのだ。
本庄市を素通りしたときに「秋田市に着く前に飲み物買えばいいか」と思っていたので水がなくなってしまった。
この快晴で飲み物がないのはキツイ。リアルに命の危機がある。ドラクエなら画面が赤くなっている。
暑くて汗が止まらない…
このままだと熱中症になる可能性すらある……
暑い、暑い……
街だ!!!
街が見えたぞ!!!!!
水がない中で必死に走りながらも、砂漠のオアシスこと秋田市に到着。
この日は本当に暑かったので途中で海の水でもいいから飲もうか迷うほどだった。(海水は逆に喉が乾くので死ぬ)
でっかい建物あると安心する〜〜〜〜
買い物できる施設がすぐ近くにあるというのは安心感。「そういえば今ってわりと危ない旅をしているんだな」と久しぶりに身にしみた。思考が旅に慣れすぎていた。
ただ、市街地に着いてよくあることなんだけど、すぐに買い物できるかと言えば意外にそうでもない。
住んいる人にとってはお店の場所なども簡単に把握できていりうと思うが、初めて着いた街だとスーパーやコンビニを見つけるのが意外に難しいことがあるのだ。
しかも市街地に着いたらなるべく安いスーパーに行きたい。少しでも旅の資金を浮かせたいのだ。
このときもなかなか見つからなくてコンクリートジャングルを走り回った。目の前のオアシスは蜃気楼だったのか……
しばらく走り回ってようやく大きいスーパーを見つけたときにはヘロヘロだった。
いつもはお金をなるべく使わないように、うどんなどを買って自分で作るようにしているのだけれど、この日はさすがに妥協してパンを買った。
スーパーに併設しているパン屋で買ったので泣くほど美味い。やっぱりコンビニとかの惣菜パンと違って焼きたては格別。
過酷な旅で食べ物もかなり制限しているので、舌がかなり敏感になっているため、パン自体の小麦粉の旨味も感じるような気がする。というか何食べても美味い。
よっしゃ!!!!
昼飯も食ったし、飲み物も調達したしこっからは快調に飛ばしていくぜ!!!!!
と気合を入れてみたものの、やはり思い通りにいかないのが世の常である。渡る世間は鬼ばかりなのだ。
出発しようと思って自転車に乗り込むと、前輪がパンクしていることに気づいた。
まったくわからなかった。いつからパンクしていたんだろうか……
多分、徐々に空気が抜けていったのかもしれない。ああ、テンションが下がる……
ただ、そこまで焦ることではない。なにせ僕はもう自転車のパンクは何度も直してきたからだ。自転車の空気の抜け方から予想して「この空気の抜け方は……虫ゴムが原因だな?」とすぐに特定した。
※ 虫ゴムとは自転車のキャップについているゴムのこと(画像左の黒いやつ)。これが敗れると空気が抜けてしまう
100円ショップで買っておいた予備の虫ゴムを即座に交換し、持ち運びの空気入れでタイヤをパンパンにして修復完了。
もうママチャリのプロだ。パンク修理だけで食っていけるかもしれない。水道の修理みたいに「自転車トラブルなら3000円」みたいな冷蔵庫に貼るステッカーでも作ろうかな。
秋田市からふたたび今日の目的地である五城目町を目指す。もっと正確に目的地を言えば五城目町にあるイオンだ。
最近はイオンからイオンへの移動になっている。イオンの渡り鳥と呼ばれる日も近い。この旅中に身体で造られた血液はすべてイオンの商品でできていると言っても過言ではない。
途中で「ババヘラアイス」という看板を掲げておばあちゃんが売っているお店を見かけた。そういえば秋田とか青森あたりでそんな名前のアイスが売ってるって知り合いに聞いたことがあったな…
しかし、この日は昼にいいものを食べてお金を余計に使ってしまっている。これ以上は無駄遣いはできない。
我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ
よっし!
日本一周をやり遂げるためにはこのくらいの誘惑に負けてはいけない。走り続けよう!!気合だ!!!!!!!!!!!!
※ 次の日食べた
秋田市〜五城目町は道も平坦で楽だったので、それほど体力も使わずにゆったりと進むことができた。
東北地方は空気が澄んでいるのか空の色が鮮明に青く見え、畑の緑とのコントラストが美しい。どこを切り取っても景色にうっとりしてしまう。ボーッとゆっくり走っていたくなる。
そのまま景色を堪能しながら走り、気づけば五城目町に到着。そしていつもながらのマイホームであるイオンへ。
そこから少し走ってテントが立てやすそうな芝生の公園を見つけたので、そこでこの日は寝むることにした。
この日は100km走っていなし、それほど疲れがなかった。途中途中で予想外につまづいてしまう場面もあったが、それも計算の内である。(強がり)
自転車日本一周の残金
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パン¥150
レタス¥48
水¥88
ポテトサラダ¥49
焼き豆腐¥39
薄皮アンパン5個入り¥68×2
ピーナッツクリーム¥98
バターロール6個入り¥44
コロッケとメンチカツ¥90
バナナ¥50
緑茶2リットル¥88
缶のお茶¥29
缶詰みかん¥88
食パン¥64
うどん¥29×2
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計1111円
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(このときは一日5~600円くらいにしようと必死だったから、「けっこう使ってしまったな…」とへこんだ。今思えばもっと使ってもよかったのだが)
残金:6万6354円
残日:48日
(残日は母に「3ヶ月以内に帰る」と約束したため、神奈川に到着するまでの残りの日数を記している)
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秋田県(にかほ市) 〜 秋田県(五城目町) 約60km
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