仕事で新潟に行く用事があり、せっかくなので前日に観光しようと思った。
新潟出身の知人に「観光どこ行ったらいいですかね?」と聞いたら、
「いや、新潟はなんもないよ」
と一蹴された。いやいやそんなことはないはずだ。
佐渡島だってあるし、コシヒカリだってあるし、それに佐渡島だってある。あとは佐渡島も新潟にはある。
……
…
あれ?言われてみれば新潟のことってなんも知らないな…
ママチャリで日本一周したときに行っているはずなんだけど、そのときもほぼ素通りだったし。
知人に何度聞いても「マジでなんもないってw」とテニスの壁打ち並に同じ反応しかなかったので、先人の「ググレカス」というありがたいお言葉通りに調べようと思った。
しかし、この先の人生で知らない土地に行く機会もそうそうないので、スマホで調べずに観光してみようと思った。その方が新しい発見もあるんじゃないかなと。
観光の前に、前日の腹ごしらえから
新潟の食を楽しむ
1月13日の夜に新潟に到着したんだけど、こんなときに限って新潟でも稀に見ることのない大雪だった。寒すぎる…運悪すぎない……?
しかも帰ってきた次の週は都内でも大雪が振ったので、雪男なんじゃないかと思った。
(冷静に考えてみたが雪男はただの怪物だ)
まったくのノープランでの観光は次の日にやるとして、とりあえず美味いものを食べようと思った。グルメ系の記事にめちゃ強いtaki(@Taki10_wg)さんにおすすめの店を前日に聞いておいた。
お店を目指して雪道を寒々しい中で一人震えて歩いていると、ほとんどの女子高生がスカートに生足であることに驚いた。
というか女子高生に限らず生足の人が多いのだ。気合の入れ方が東京とは違うぜ!!!
……いやいや、僕が女性の生足をじっくり見ているわけじゃないですよ?純然たる観察の賜物ですよ?
教えてもらったお店は越後一会 十郎というお店。なんでも新潟らしい料理がたくさんあり、そしてお店の居心地が良いらしい。
刺し身の盛り合わせも種類が豊富で、シマアジ、かんぶり、マグロなど旬のものが入っているのもうれしい。噛んだときの弾力が合って歯ごたえも良い。
メニューもわかりやすくてよかった。「新潟に来たならこれ!」と書いてあるのをひたすら頼んだ。
のっぺやベーコンも美味しかったんだけど、僕はあぶらげがダントツで気に入った。(新潟では油揚げをあぶらげと呼ぶらしい)
辞書くらい分厚いあぶらげに、和風出汁がぎゅっと染み込んでいるのだ。噛めばじゅわっと温かい出汁が口に広がる。ああ…堪らない…!こんなに分厚いあぶらげ食べたのは初めてだったので感動した。
この写真に載っているあぶらげは実は半人前で、店員さんが「量多いので半分にしましょうか?」と聞いてくれて量を減らしてくれた。こういう対応ってうれしいよね。
旅行来たときってこういう単純なことで、もう一回来たいと思える。
飲み食いが止まらずに調子にノッて〆張鶴の大吟醸まで頼み、1時間で8000円も一人で使ってしまった。僕は旅行に来ると「せっかくだから」と散財してしまう。悪い癖だ。
お店はかなり混んでいて、ずっと賑やかだった。人気店なので予約しないと入れないことも多いらしい。来てよかった。
三吉屋のラーメンでシメ
そして「飲んだあとはシメは三吉屋のラーメンが良いですよ」とtakiさんに教えてもらっていたので、移動して行ってみることにした。
このTHE・ラーメンの見た目の破壊力って最強じゃないですか?
家系のこってりラーメンもいいんだけど、やっぱり最終的にはこのあっさり醤油ラーメンが食べたくなる。
三吉のラーメンは見た目どおりにあっさりしているんだけど、コクがあって、スープを飲んだあとに口の中にしっかりと旨味が残る。ああ、これ毎日でも食べられるやつだ。飽きがこない味だ。
シメのラーメンってなんであんなに美味いんだろうか。昔ながらの醤油ラーメンのスープが胃に沁みる。外の寒さも相まって余計に美味しく感じる。
ちなみにここでも「せっかくだから」という理由で餃子まで頼んだ。正直最後の方はお腹いっぱいでただの苦行だった。
宿泊はBook Innというゲストハウスで
泊まる場所は悩んだのだけど、値段が安かったのでBook Innというゲストハウスに行くことにした。
ドミトリー方式のゲストハウスだ。カプセルホテルと同じ仕組みだが清潔感があるし、何よりもこの本に囲まれている空間というのが堪らない。本屋好きな僕としては良い環境だった。
ものすごい余談だがBook Innと同じビルにエロスティックなお店があったのを見つけて、一時間くらい入ろうか迷った。
ここでも伝家の宝刀である「せっかくだからエロいお店も行っておくか…」が出るかと思ったが、餃子を食べたあとだったので無駄にエチケットに気を遣ってやめることにした。童貞かよ。
いよいよ観光へ
観光循環バスに乗る
次の日、外に出て雪が多いことに改めて驚く。関東住んでるとなかなか見れないのでテンションが天を貫くくらいあがる。
内心は「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」と懐かしの某CMくらい発狂するほどなのだが、一人旅なのでトボトボと駅を目指して歩く。
少し駅の近くを散歩したのだけど、右をみても左を見ても真っ白だった。東京から数時間移動するだけで、世界がこんなにも違うんだなと当たり前のことを思った。
旅行とか旅って、当たり前のことを再確認する作業みたいなところがあると思う。
『スマホで調べないで観光する』ということは決めていたのだけど、ふと「そういう場合ってどうやって旅行するんだろう」という考えが頭をよぎった。
ああ、考える力をスマホに奪われている……
そのうちスマホと結婚みたいな世界もあるんじゃないだろうか。人工知能に恋するってわりと将来的にはありえそう
( 『her』という映画がまさにそれで、人工知能に恋する話し。おもしろいのでぜひ見てみてほしい)
そんなことを考えならが、新潟駅まで戻ると観光案内センターがあったので入ってみて話を聞いてみることにした。
観光案内所で話を聞いてみるとどうやら観光循環バスがあるらしく、それに乗れば主要な観光地を周れるとのことだ。
はー!なるほど!!
こういうのが駅前にあると観光する側としてはものすごく助かる。良い取り組みだなー!
500円で乗り放題らしい。かなり安い。さっそくチケットを買ってバスに飛び乗る。
バスを見るとパタリロやホワッツマイケルのラッピングがされていた。
そういやさっきからちょいちょい犬夜叉とかの絵を見るなーと思っていたら、どうやら新潟出身の漫画家というのは異常に多いらしい。
犬夜叉やらんま1/2でおなじみの高橋留美子や、パタリロの魔夜峰央、デスノートの小畑健なんかもそうらしい。
パンフレットを見ていると新潟市マンガ・アニメ情報館という建物があるのを発見した。
県としても漫画を推してるみたいだし、行ってみることにした。
新潟市マンガ・アニメ情報館で羽海野チカの展示がやっていて感動する
新潟市マンガ・アニメ情報館に着くと、たまたま新潟に到着した日から羽海野チカの展示をやっていた。
なんんんんんんてラッキーなんだろうか!!何も調べないで来た新潟で、こんなイレギュラーな幸運があるとは…!!!!
新潟市マンガ・アニメ情報館は写真撮影が禁止なので中は紹介できないが、やはり羽海野チカ先生の世界観は美しい。
実は渋谷で同じ展示をやったときにも行ったことがあるのだけれど、それでも1時間以上じっくりと楽しめた。
素晴らしい作品は何回見ても飽きないから作品なのだ。(上手いこと言っているようで中身がない)
羽海野チカ先生のネームの作り方『8分割法』から学ぶモノ作りの姿勢 - megayaのブログ
(羽海野チカ先生の展示を見てネームのつくり方に感動したので、別記事で書きました)
新潟市マンガ・アニメ情報館にも様々な漫画家の直筆のサインがあり興奮した。
それだけでなく巨大なモニターをタッチして漫画の作り方を体験できたり、アニメのできる仕組みが順序立てて紹介されていたりして、大人でも子どもでもじっくり見入ってしまうものが多かった。単純に感心して一人でずっと遊んでいた。
関係ないけど近くにゲームセンターがあり、唐突な東京ディスの張り紙があった。なんで?
パンフレットにNGT48の劇場が無料で誰でも入れるという情報があった。せっかくなので行ってみようと思ったのたが、時間が早かったのか空いてなかった…残念…
ただNGTの衣装着たラムちゃんがめちゃんこ可愛かった。思春期のときのうる星やつら見ているときのことを思い出した。
よくよく考えると一話で乳◯がぽろりするアニメが当時やってたってすごくない?
ピアbandaiで寿司を喰らう
お昼どきだったので再びバスに揺られて、今度はピアbandaiという魚市場にやってきた。
海産物のお土産と食事ならここがオススメとパンフレットに書いてあった。僕の地元の三浦市を思い出す風景でもある。
やっぱり市場の磯の匂いって好きだ。新鮮なものがあるって感じでテンションあがる。
せっかくなので生牡蠣を食べた。このぷるぷる具合が伝わるだろうか?
新鮮なので口に入れると磯の香りがする。そのまま食べても塩気があるので充分美味しい。これだから市場の食べ歩きは堪らない。
どこのお店に入ろうか迷ったのだけれど、弁慶という回転寿司に入ることにした。
なぜなら前日にお金を使い過ぎたからだ。寿司であれば自分でセーブもできるし、3皿食べるだけでも新潟の魚を充分に堪能できる。天才的発想だ。
はい。めちゃんこ食いました。
結局、僕のブレーキなんかガバガバでここでも気づいたら3000円くらい使っていた。
「1500円くらいかな?」と予想してたから、値段見たときレジがバグったのかと思った。
マリンピア日本海でビーバーの可愛さに癒やされる
次の場所はマリンピア日本海という水族館だ。敷地面積が日本海側ではトップを争うほど大きいらしい。
地図を見てもかなり広いようで地下や屋外にも施設があるようだ。
水族館って何歳になっても良いものだ。ボーッとしながら見たり、写真パシャパシャと撮ってみたり、魚の説明をじっくり見てみたりと、いようと思えば何時間でもいられる。癒やし。
マリンピア日本海ではゾーンがいくつかに別れているんだけど、「信濃川」ゾーンだったり、「佐渡の深海」だったりと、かなり細かに分類しているようだった。
魚の他にもペンギンやイルカ、アザラシ、ラッコ…などなどたくさんの種類の生き物がいた。
ペンギンめっちゃかわええ…何よりも人慣れしているのか、カメラ向けると集まってした。アイドルか?アイドルなのか?!
ちなみにぶっちぎり一番かわいかったのはビーバー
高速で笹みたいなのずっと一心不乱にかじっててどちゃクソ可愛かった。ずっと見てられる。
白山神社で一年の誓いを立てる
ラストは白山神社へ行くことにした。「そういえば今年ちゃんと神社に行ってなかったな」と思い出したからだ。
なんでも縁結びとして有名だとかで、これは20代後半彼女なし男にとってはうってつけの場所である。
受験シーズンということもあって、合格祝いをしに来ているような人も多かった。
毎年「今年こそは」って一年の始まりに言っている気がするなぁ…
今年からはライターの仕事の日数増やすとかもして、状況が去年といろいろと変わった。本当に頑張ろう。
というようなカッコいい誓いを立てればよかったのだけど、縁結びという言葉に引っ張られて彼女が欲しいということしかお願いしなかった。
ちなみにおみくじ引いたら「待人 : しばし我慢のとき」みたいな言葉がでてきた。もう何年も我慢してるわ。苔生えるわ。
神社の周りに屋台がいくつかあって、その中にポッポ焼きというのがあって気になったので買ってみた。
黒糖味っぽいパンだ。麩菓子のパンバージョンみたいな感じ。これ新潟だと定番の食べ物なんだろうか?
もっとお菓子っぽいやつだと思って20本入りを買ったけど、パンなのでかなり胃にくる…お腹いっぱい…
神社の近くには広場っぽいところもあり、そこで子どもが大勢いてはしゃいでいてかわかった。しばらくその風景をぼーっと見ていた。
こんな幸せな風景があるだろうか。夕暮れどきにはしゃぐ子供、それを見守る父と母、そしてその写真を隠し撮りする僕。はい、アウト。
そんなことを考えているときに、とあることに気づいた。
やべぇ…バスの時間過ぎている…!!
循環バスは1本逃すと1時間くらい待つことになるのだ。
うわぁ…最悪だ……
と思ったが、ここから新潟駅まで歩いて約30分ほどで着くことがわかった。
たまには知らない街を歩くのも良いだろう。これもスマホで検索をしない旅の醍醐味だ。
帰りにゆっくり歩いていると、信濃川に映る夕焼けの美しい景色を見ることが出来た。
日本一周のときにわかったことだが、心に残る風景というのは、有名な観光地よりもこういったふとした瞬間の風景なのだ。
苦労したり、疲れたときだったり、心が穏やかなときだったり、誰かといるときだったり…そうした何気ない景色が一番大切なのだ。
(最後はそれっぽい言葉でまとめました)
新潟旅行は楽しかった
「新潟には何もないよ」と知人には言われたけど、食べ物美味しかったし、観光しても楽しかった。
観光循環バスで行ってない場所もかなりあったし、まだまだ行ききれてないとこはたくさんある。それこそ佐渡島も行きたいし。
やっぱり住んでいると気づかないものってあるのかもね。自分の地元も何もないって思うもんね。
ただその知人に「観光循環バス乗りましたよ」って話しをしたら、
「あれ乗る人いるんだ!w」
と笑われた。なんだこいつ。
それにしても雪景色って最高だな。めちゃくちゃテンションあがる。どこ歩いてもフォトジェニックだから歩くのが楽しい。魔法の世界みたい。雪って最高!!!!!!
って思ってたんだけど、帰りの高速バスが雪のせいで大幅に遅れることになった。
小屋みたいなとこで50分くらい待たされた。凍え死ぬかと思ったし、いつ来るかもわからなくてトイレさえ行けなかった。
二度と雪なんか見たくない。
Twitterもやっています
ほぐしチキンとゆかりの相性が良すぎて泣きそう pic.twitter.com/NdscBfHgx5
— megaya (@megaya0403) 2018年1月27日
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