(前日の記事)
石川県の加賀市で起床
今日は潰れているであろう建物の前で起床した。屋根もあったので雨の心配なく快適に眠ることができた。だんだんとコンクリートで眠るのも辛くなくなってきた。人間って環境によって進化するんだなと体感した。
出発前にパンクしないかどうかチェックをしていると、タイヤにカエルが乗っていることに気づいた。僕はカエル好きなのでたまらない。クロノトリガーからの大のカエル好きなのだ。かわぃぃぃぃぃぃ!!
僕の地元は海の方なのでそれほどカエルを見る機械も多くないので、そういった感動もある。
(左端のがクロノ・トリガーのカエル。こいつが世界で一番かっこいいカエルなのである)
ああ、可愛い。はぁはぁ可愛いよ、可愛いよカエルちゃん…!!
愛でたい気持ちもあるが、このままだと走り出した瞬間にカエルを潰してしまうので、手でどけてあげないといけない。
ああ、じっとしていてね、可愛いカエルちゃん!!!
ゆっくりと手を伸ばしてカエルをどけようとしたその瞬間。カエルは僕の手を飛び越えるように跳ね、そして次の瞬間……
ぴゅっ
と僕の手に小便をかけて草むらに飛んでいったのだ。僕の危険な邪気を感じとって逃げたのかもしれない。両生類のクソ野郎が。クロノトリガーのパーティにもう二度と入れてやらないわ。
朝一からのカエルの洗礼に腹を立てていると、今度は2人乗りをしたバイクのおじいちゃんが僕の近くに寄ってきた。まさかこの寝ていた場所は廃墟じゃなかったのか…あの二人組みは職場の人なのか…朝から本当についてない……
と思って逮捕される覚悟をしたのだが、どうやら僕の姿を見ておもしろがって話しかけに来てくれたらしい。おじいちゃん二人組はコンビニで買ったパンを食べつつ、僕の旅の経緯などを話しながらしばし談笑した。
二人とも優しく応援してくれ、朝から一気に元気でた。そういえば朝ご飯を誰かと一緒に食べたのなんて久しぶりだな…なんか家族が懐かしくなるなぁ……早く家に帰りたいなぁ…
富山市を目指して出発
にほんむかしばなし「カエルの恩返し」
この日は富山市を目指してひたすら走るのみ。朝からおじいちゃん二人組みの応援パワーもあって調子が良い。やっぱり誰かと会話があると元気がでるものだ。
……
…………
………………
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全然景色かわらねーな、おい!!!!
自転車旅やっている身としては畑道の近くって平地が多いから走りやすくていいんだけど、ブログとして考えたら面白み味がなんもないな!!!
このあとも何もないまましばらく走り続ける。そう何もなくてもはしり続けないといけない。そして僕もこの日本一周の日記が続く限り、何も起きない日でも文字を書き続けなくてはいけない。そう、その先にオチがなくても……
しばらく走ったあとに休憩としてコンビニに寄ることにした。疲れたので少し休もうと思い、軽く立ち読みをしようと思ったのだ。
ボーっと立ち読みしていると、窓ガラスの反対から明らかに僕のことをジッと見ているおばちゃんがいた。なんだ、僕がなにかしたというのか…?
おばちゃんはしばらく僕をジッ…とみていた。僕も動いたら負けだと思い、読み終わっている本を最初のページに戻し読んでいるフリをした。まるでヘビに睨まれたカエルのようだ。
ん…カエル……?カエル……!!??
ま、まさか…今朝のカエルが逃がそうとした僕に、恩返しをしに人間の姿になってやってきたというのか…!!??
そう思った瞬間にカエルおばさんはコンビニに入ってきて、僕の方にすぐに近寄ってきた。そして僕に会うなり、
カエルおばさん
「まぁあんた身長高いわねぇ〜」
と話しかけてきた。おそらくカエルおばさんは「私が人間になってもあなたの方が大きいですね」ということを伝えたいのだろう。僕からしても、まさかあのとき助けたカエルが年上の女性だったというのは予想外だ。人生何があるかわからない。
そこから「外に置いてある自転車はお兄さんの?」 と聞かれ旅の経緯などを話しながら、少し会話した。おばさんは僕の話に首を縦に大きく振りながら、熱心に聞いてくれた。この会話がもしかしたら人間界とカエル界をつなぐ大事な一本の糸になるのかもしれないなぁ…とぼんやり思った。
しばらく話したあとに、おばちゃんは急に、
「頑張ってなぁ」
と言って話を中断させた。ああ…もしかしたら人間になる魔法にも時間切れがあるのかもしれない。シンデレラと一緒だ。きっと魔法がとけてカエルに戻ってしまうのだ。うんうん、会いに来てくれてありがとう…!!
そう考えているとおばちゃんは、
「お駄賃やるわー!これとっとき!」
僕の手に千円札を渡してくれた。最初は混乱したものの、おばちゃんは僕が遠慮しているのを察したのか「遠慮せんでええよ!こういうのは出会いよ!」と言ってくれたのだ。
うわぁぁぁぁぁぁ!良い人すぎる!ありがたい!!
この貧乏な旅に置いて千円はかなりでかい!!
感謝の意をおばちゃんに述べて深々と頭を下げた。見ず知らずの僕みたいなやつにお金をくれるなんて、世の中捨てたもんじゃない…!!
そしてそれよりも何よりも、カエルおばさん呼ばわりしたことをマリアナ海溝よりも深く反省した。
金沢市を抜けて富山市へ
神の化身であるおばちゃんからの施しを受けて、やる気マックスになったところで再出発。ここから金沢市、小矢部市を抜けて、富山市をひたすら目指す。
再び景色に変化のない真っ直ぐな道を走り続ける。アメリカのルート66くらい真っ直ぐだな。
しかし金沢市付近の道がめんどうだった。道がバイパスなのか、普通の道路なのか、高速の入口なのかわかりづらいのだ。自転車が通っていい道なのか判断しづらい。よくわからないが道路標識が異常に少ないのだ。おそらく普段は車しか通らない道なのだろう。
混乱しつつも道を進むと、あいも変わらず景色は変わらない。しかし天気が異様だった。右を見ると空が晴れいてるのだけれど、左を見ると明らかに雨雲が広がっている。ちょうど雨と晴れの中間くらいにいて、その景色が世界の終わりのような雰囲気で異様だった。
雨もふったりやんだりを繰り返して気持ちの悪い天気で、中途半端な感じに振り回されて、だんだんと疲労も溜まってきた。しかしもう到着は目前だった。
嫌な天気に振り回されながらも、ひたすら8号線を走って18時ごろには富山市に到着。近くにマックスバリューがあったので夜飯を買いに行って、廃墟があったのでそこの前を寝床にすることにした。
この日も100kmくらい走ったので身体はくたくただった。しかし朝からおじいちゃん2人組と話し、優しいおばさんに出会ったことにより心は満たされていた。
夜ご飯を食べ終わって横になって眠ろうと思った。しかしやることが一つあった。懺悔だ。カエルおばさんと呼んで申し訳ありませんでした。アーメン。
自転車日本一周の残金
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パンク用のパッチ¥105
注入式の空気入れ¥105×2
緑茶¥98
フランスパン¥128
マヨネーズ¥68
うどん¥25×2
ハンバーグ¥58
ひとくちメンチ2個¥108
バナナ¥49
ぶどうパン¥78
トマト¥58
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計1024円(おばちゃんからのお駄賃があったため実質24円)
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残金:7万1691円
残日:53日
(残日は母に「3ヶ月以内に帰る」と約束したため、神奈川に到着するまでの残りの日数を記している)
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加賀市(石川県)〜富山県(富山市) 約100km
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Twitterもやっています
「バカヤロー!スマホなんて使わなくても生きていけんだよ!!」
— megaya (@megaya0403) May 13, 2018
と言っていた硬派な父がスマホに乗り換えたらすぐに順応して、キャバ嬢の営業メールみたいなLINEを送ってくるようになりました pic.twitter.com/k1SzN91Is3
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