地下アイドルでライターでもある姫乃たまさんの「潜行~地下アイドルの人に言えない生活」という本を読んだ。内容が衝撃的だったのもあるが、僕は別の意味で心に刺さるものがあった。
この本は姫乃たまさんが地下アイドルとして活動している自身の経験から、業界の生々しい実態や、地下アイドルの過酷さについて核心にせまって書かれている。
おもしろいのはそれだけでなく「地下アイドルの物販とのぞき部屋の共通項」などのように独自の観点で地下アイドルの世界を語っており、グッと興味を惹かれるものが多い。「姫乃たま」という人物が持つ、地下アイドルとライターという両方の武器を持っていないと絶対に書けない本だ。
内容も衝撃的だったのだけど、僕がこの本を読んで感じたのは「怖い」という感情だった。なぜそう思ったのかというと「地下アイドルという職業の人がここまでおもしろい文章を書いてしまうのか」ということだ。
僕は副業で記事を書く仕事がたまにもらえるときがあるが、「文章が上手い」から書かせてもらっているわけではない。今のwebという時代に合った書き方が出来ているだけだ。
ただ、いずれは文章能力をあげてコラムを書いたり、本を書いたりしたいと思っている。そしてそれらはブログ記事などを書いていればいずれは出来るようになると思っていた。
しかし、姫之たまさんの本を読んだときに衝撃を受けたと同時に自分の認識の甘さを痛感した。読みやすい文章に、センセーショナルな内容、そして著者の魅力的な人物像。僕が欲しい能力がそこには詰まっていた。
もしもこの先、webで記事を書いて生きていきたいのであれば、このまま記事をただたんに書いているだけではダメだと強く思った。文章を書く以外の武器も必要だ。
webで記事を書くライターは「バズる記事が書けるかどうか」とういのは一つの大事な能力だと思う。そしてバズるために必要なのは「人気」だ。もっとわかりやすく言えば「ファン」がついているかどうかだ。そうなってくると地下アイドルの拡散力というのは強い。
姫乃たまさんにはライターよりも前提として「地下アイドル」という強力な武器がある。「地下アイドルがライターをやる」というのはキャッチーで世間が興味を惹く魅力もある。
地下アイドルまとめブログで、アイドルの方も連載を初めていて焦りを感じる。NECOPLASTICのゆりにゃ・K・ラガマフィンさんという方が書いた文章には、地下アイドルとして活動しているリアルな空気感や、熱量を感じてものすごくおもしろかった。
仕事として記事を書いているからと言って、安心してはいけないと改めて感じた。他の職業の人がライターとしてweb記事を書くハードルは今はものすごく低い(クオリティは別として)ということを心に刻んでおかないといけない。仮に有名なお笑い芸人がある程度のweb記事を定期的に書くようになったら、一気に人気を獲得するようになるだろう。
この先もこういった「人気職業」の人たちが、webライターとして参入してくる可能性は世の中的に多いにある。
以前にwebで記事を書くライターが「読モライター」と揶揄されて話題になったことがある。今はライターというのはただ文章を書くだけでなく、意味合いも多様化してきている。そういう時代に合わせて、文章だけでなく「人間」としておもしろ味がないと、webで生き残っていくのは難しい。
文章を書いて誰かに読んでもらえるのは本当にうれしい。僕はこれからも色んな記事を書いていきたい。いずれはコラムを書いたり、本を書いたりもしたいと思っている。ただ今のままでは全くダメで、文章能力はもちろんのこと、他にも自分の核となる武器をいくつも持たなければだめだなと改めて思った。
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