megayaのブログ

自由に書いてます。エンジニア系のこともたまに。仕事でライターとエンジニアやっています

【日本一周】11日目: 渡る世間はババアばかり【ママチャリ】

 

 

起きてすぐに姫路城へ

 

昨日は結局カップルたちに笑われ、悲しさと切なさと心強さとに襲われた、そんな3分の1の純情な感情でマックで一晩過ごした

 

 

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結局一睡も出来なかった、、、
クソが、カップル絶滅しろ

しかし眠い眠いと言っても進まなければ始まらない目指すは姫路城
いくぜ!!

 

ってことで、寝てないとき、特有の変なハイテンションで快適に飛ばしていく
道も綺麗で順調!!

 

出発して、すぐに姫路に突入!! 

 

 

 

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そしてー

 

またまたすぐにー

 

 

 

姫路城に到着!!

 

 

 

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よっしゃー!見るぜー!!
テンション上がるぜー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あれ?
なんかおかしくね?

姫路城って絵なんだっけ?
なんで隠れ身の術みたいなのやってんの?

姫路城なんなの、シャイなの?

 

 

 

 

 

そうなんです
タイミングの悪いことに工事中だったんですね

 

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いやはや見事に工事中
しかし来たからには当然行くべき!!
楽しもう!!
ってことで姫路城を2時間くらいかけて散策

 

 

 

 

 

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井戸での出会い

 

 

城内をひとしきり歩き終わったので、帰ろうと思ってふらふらと歩いていた
すると、背後から女性に話しかけられた

 

「あれがなにかご存知ですか?」

 

 

 

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わからない、なんだこれは?
、、、というよりそんな質問どうでも良い
女性に話しかけられたの久しぶりすぎて、ガチガチに緊張して動けない

やべぇ、、後ろ振り向いて顔見れない
声から察するに、若い人だ
でも振り向けないから確認できない

俺の中のシャイなリトルめがやが顔を出して、なにもできない動けない
おい、どうしたリトルめがや、お前はどうしたいんだ

なんてことを考えている間も、背後の女性はスラスラと説明を続けてくれました

 

なんでもこの井戸は「お菊井戸」と言う井戸らしい。

 

「お皿が1枚〜、2枚〜、3枚〜、、、、1枚足りない〜〜〜

 

という女の人の幽霊を知っている人も多いと思う
あれの元ネタの井戸らしい

 

井戸にまつわる話をすごい要約すると、


お菊さんという女性に惚れてる男が結婚を申し込む

けどそれをお菊はフルスイングで拒否。

断られた男は、お菊の持っていた家宝の皿の10枚のうち1枚を隠す

男が「お菊が皿なくしました!あいつ最低ですね」とお菊のせいにする

弱みに漬け込んで、男がまた告白

それでも断固たる決意でお菊は拒否

結局お菊を殺しされて、井戸に投げ込まれる

 

それから、夜な夜なお菊のお皿を数える声が、、、
という話っぽい、さっきWikipediaで調べた

皿屋敷 - Wikipedia

  

話を聞いていたときは、スラスラと背後の女性が話してくれたんだけど、僕はそんな話しなんて頭に入ってこない

心臓は、久しぶりの女性との会話にドンドコドンドコ鳴りまくり
あれ?俺の心臓って太鼓の達人だっけ?って勘違いするくらい鳴ってる
フルコンボ並みにドンドコしてる

 

僕はある決意をした
せっかくの旅だ
ここで話しかけられなきゃ一生後悔する

よし話しかけよう!
むしろお昼一緒に食べに行くくらいの勢いで誘ってみよう
どうせ失うものはない

 

 

僕「お菊さんは家宝を隠されて、お皿が1枚足りませんでしたが、あなたには、、、お皿が2枚足りないんじゃないですか?」

 

女「え?どういうことですか?」

 

僕「僕のヒザの皿が2枚あります。僕のヒザの皿を家宝にしませんか?」

 

女「きゃっ!素敵!結婚して!!」

 

 

 

 

 

よし!これで行こう!!
完璧だ

これでオチるはずだ
僕は意を決して振り向いて、女の人の顔を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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橋田壽賀子にめっちゃ似てるじゃねーかよ!!

 

ざけんな
なに可愛い声だしてんだよ


橋田
壽賀子を欲してねーんだよ、こっちは
渡る世間は鬼ばかりじゃねーんだよ

 

ふざけんなよ、誰が俺の心臓の太鼓の達人で、鬼モード選んでプレイしたやつ
「さぁ〜、始めるドーン」
じゃねーんだよ、なにも始まらねーわ

ひざの皿だって家宝にされるどころか、幸楽の餃子の皿あたりに使われるわ

 

もう言葉がでてこなった
こんなに丁寧に説明してもらい、めっちゃ笑顔で対応してもらって本当にありがたかった
でも、振り向いたまま僕は橋田壽賀子を見て、あまりのショックに固まってしまった
結局、僕何も言わず、えなりかずきのような優しい笑みだけを向け、その場を後にして走り去った

 

あああああああ、あんなに声は可愛いかったのに、、、
僕のお菊さんはどこにいますか?

 

 

再び出発

 

 

そんな感じで姫路城を後にし、出発
楽しかった思い出と、橋田壽賀子の思い出を残しつつ大阪を後にした

 

さて切り替えよう
今日の最終目的地は岡山

そんで早くも明後日には四国突入!!
順調だ!!

 

 

と思っていたが、こっからの道のりはきつかった
坂は連続だし、いつおわるかもわからない
心が折れる、、、

しかも雨も降ってきて辛い、、、

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時間は刻々と進んで行く

夕方近くになり、僕は疲労がピークになり、マクドナルドを発見した
スマホの充電も含めて店内に入ることにした

 

 

突然の電話

 

店内に入って少し休んでいるとスマホが鳴った
誰かから電話がかかってきたようだった

僕は旅を始めてから、知り合いの電話はすべてシカトしていた
なぜなら知り合い全員に黙ってこの旅にでてきたからだ

友達から電話かかってきて、何言っていいかわからないし、バカにされたり、地元で噂されるのが嫌だったからだ

 

しかしこの時だけは無視することが出来なかった
僕はディスプレイに映った名前を凝視して動けなくなっていた

 

電話をかけてきたのは「父」だった

 

電話を握っている手が汗でしめっているのがわかる
思わず生唾を飲むほど緊張した

 

僕の父は真面目で頑固な人だ

僕の友達がいるときや、知人の前ではひょうきんにふざけた姿を見せるが、家ではめったにふざけない
自分自身の話は滅多にしないし、苦労話をするのはカッコ悪いくらいに思ってる節もあるくらいだ

家族に電話やメールをすることもほとんどないと思う

 

その父から電話がかかってきた
僕は震えた手で、意を決して通話ボタンをプッシュした 

 

数秒の間が空く
父は怒りでもない、悲しみでもない抑揚のない声でポツリと言った

 

「今どこにいる?」

 

僕は喉が乾ききっている中で、「兵庫にいる」となんとか言葉をこぼした

 

当然怒られることを覚悟した
成人をすぎて家出なんてありえないことだ

怒られる以上に「今すぐ帰ってこい」と言われるのが当然だとも思った
真面目な父だからそういったことを言うだろうと予想していた

僕はなにも言う事ができず、ただ待つことしかできなかった
嫌な沈黙が時間を支配していた
店内で楽しそうに談笑する声が、遥か遠くから聞こえる気がする

 

僕の予想に反して、父は声を荒げるでも、静かに僕を諭すようなこともしなかった
父は

 

「無事でよかった」

 

と一言こぼし、電話越しに泣いていた

 

「よかった、無事でよかった」

 

その言葉を聞いた時に、僕も涙が溢れた
僕はただただ泣いた

 

迷惑をかけて申し訳ないこと

勝手にでていったこと

大学をやめたこと

息子として立派に成長できなかったこと

 

いろんな事で迷惑をかけた、それでも父は僕を責めなかった
ひとしきり泣いたあとに父は

 
「自分の目的が達成できたら帰ってこい、頑張れ」

 

そう一言残し、電話は切られた
結局僕の目的も動機も聞くことはしなかった
最大級の優しさだと感じた

 

通話が終わっても僕は泣いていた

 

今すぐ帰ってこいでもなく

怒るでもなく

ただ僕の身を案じ、僕のことを尊重してくれる

 

自分は何をやっているんだろう
心からそう思った

今すぐ帰ったほうが良いんじゃないか
そう考えたりもした

 

だけど、ここで自分の掲げた「日本一周」という目標を達成できなければ、この先何があっても乗り越えていけない

父は「目的を達成して無事に帰ってこい」と言った
僕は涙を拭い、外に出て再び走りだした

 

自分に今できることは目標を達成し、無事に家に帰る
改めて覚悟を決め、再び走った

 

この日はがむしゃらに走り、備前市まで到着した
そして眠る場所を見つけ、家族のことを思い出しながら、泥のように眠りについた

 

 

 

 

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兵庫県 大蔵海岸公園 ~ 岡山県 備前市

約 92km

 

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もうね
橋田壽賀子とか言ってた時が懐かしいよ

父からの電話は本当に泣きましたよ
本当にありがたかった
父が許してくれなかったら、当然旅は続けられなかったし、今の僕はないだろうなと思う

 

でも僕の父は友達の前では鬼のようにふざけますからね
いきなり遊んでる部屋にきて

「みんな黙れ!!」

って言ってだけをかましていくような人ですからね

やっぱり血ですね、僕の父ですね
僕はそんな父をすごい尊敬します

 

家族を褒められる僕はかっこよくないですか?
家族を尊敬できる僕は心が広くないですか?
そんな僕のお菊さんになって、僕のひざの皿を家宝にしませんか?
(橋田壽賀子に似ている女子以外で)

 

 

  

 

 

 

渡る世間は鬼ばかり パート1 DVD-BOX 1

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