megayaのブログ

自由に書いてます。エンジニア系のこともたまに。仕事でライターとエンジニアやっています

【自転車(ママチャリ)日本一周】1日目: 自転車日本一周スタートするもいきなり帰りたくなる

 
(前日までの日記)

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物置生活5日目。
家を黙って出ていくために、深夜に物置に隠れて、早朝に出発する作戦を立てるも、怖くなってやめる日々が続いていた。




そろそろほんとに物置の妖怪になってしまう。頭にきのことか生えてないよね?腐ってないよね?
 
そして当たり前だが、深夜に家から僕がいなくなるので親にも怪しまれてきている。そろそろ出発しなければ、本当に家から出れないで終わってしまう。
 
 
 

いよいよ本当に自転車の旅(家出)に出発する

 
 
 
 
午前3時。いよいよ出発する時がきた。
まだ夜とも朝とも言えない時間。外には誰もいない。
 
お父さん、お母さん だめな息子でごめん。 
今までたくさん迷惑かけてきた。また迷惑をかけることになるけど、これが最後にするよ。行ってくるよ、、、
 
 
 
 
そしてペダルを漕ぎはじめる。
俺の冒険が今始まるぜ!!!!!
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
       
重い!!!!
 
ペダルが重い、 想像の34倍は重い。
カッコつけて出ていこうとしたけど、予想異常に自転車に積んでる荷物が重くてちっとも進まない。
 
荷物を積んだ自転車に乗るのは初めてだったので、僕はその大変さをよく知らなかった。というか、通販で買った自転車を一度も試し乗りしていなかったので、この日初めて乗ったくらいだ。
準備不足というレベルじゃねぇ、、、
 

しかし行くしかない。
やるんだ。俺は変わるんだ。この旅を通して俺はBIGな男になるんだ、
 
行くぞ!!
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!
 
俺の身体よ!
耐えてくれ!!界王拳10倍だ!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
(10分後)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「家に帰りてぇぇぇえっぇっぇっぇぇぇぇーーーーーーー!!!!」
 
 
家からすぐ近くの最初の登り坂に突入して、自転車の辛さを早くも痛感する。自転車に荷物積んで坂道登るってこんなにつらいのか。
牛丼屋の「安い、早い、うまい」ってあるけど、まさに僕は今「つらい 、きつい、帰りたい」のクソ思考の三重奏。
 
自転車から降りて、押して進むしかない。漕いで坂道を登るのは不可能だ。
出発してから1時間くらいは何回も家に引き返そうと思った。
 
 
 
 
 
 

初めての会話

 

 
 
進んでいくと少しづつ慣れてきたのか、平坦の道が多くなってきたからなのか、遅いながらも進めるようになってきた。湘南の海を横目に軽快に足を動かす。
 
 
「自転車の旅って意外に楽勝なのかもしれない。家出してよかったー!!」
 
  
みたいに余裕しゃきしゃきにぶっこいてましたよ。この先に起こる2ヶ月半の数々の困難なども知らずに…
お昼休みはうきうきウォッチ気分で進んでいたが、さすが引きこもりで気持ちとは裏腹に体力はないので、海沿いの公園で休憩することにした。
 

公園で水を飲んでいると、

「どっからきたの?すごい荷物だねー」
 
と後ろから声をかけられた。僕は背筋が凍る重いがした。僕を怪しい男だと思って声をかけたに違いない。 
僕は半引きこもりのような生活を送っていたので、コミュニケーション能力は著しく低下していた。冷静に対処しようとしたが、焦って自分でも何を言っているのかわからない言葉を発していた。

  
「えっとあqwせdrftgyふじこlp」


しかしおじさんは快活そうな笑顔を僕に向けて、 

 
「あっはっはー!焦らんでいいよ、疲れてんだろ?
ゆっくり話そうよ」
 
 
と笑い飛ばしてくれました。良い人でよかった。あと通報とかの目的じゃなくって良かった…
おじさんは旅をしていそうな僕の格好を見て、興味をもったらしく少し談笑した。

おじさんに色々と聞かれたけど、
「家出して旅にでました!」「奨学金で借金して旅をしています!!」
とは言えずに、
「大学を休学して、旅をしています。日本一周をずっとしたくて、お金を在学中にためていました。大学は慶應大学に通っています」
という風に爽やかな大学生を気取って、ウソを付きまくりましたよ。さりげなく大学も数十倍上のランク格上げしておきました。本当にクズだわ。
 
 
おじさんと少し話したあとに笑顔でお別れした。おじさんは僕に手を振り、「頑張れよ!」と大きな声で送り出してくれた。
 
 
 
 
おおおおおおおお、知らない人との会話とかなんだか旅っぽい!
テ・ン・ショ・ンあがってきたー!!
 
これはいける。
このままガンガン突き進もう!!
 
 
 
 
 
 
はい。
 
みなさんお気づきでしょうが、そんなに元気は続きません。なにせ引きこもってたんですからね、そんな体力あるはずがありません。
 
 
すぐに体力も精神力もなくなりました。出発してから数時間でもう体力の限界。季節的にも夏の始まりくらいだったので、かなり暑かった。家から持ってきた水もすぐに底を尽いた。
 
 
やばい。くらくらしてきた。
頭がいたい。喉がかわいた。家に帰りたい。
 
 
 
 
僕はあまりお金を持って出ませんでしたから、お金はあまり使いたくありませんでした。そもそもこの先どれくらいのお金が必要になるのかも未知数すぎて、無駄使いはできない。
 
なので水はないが、コンビニがあっても行かなかった。1日目だったので、気持ち的に意識が高くなっていたんだと思う。
 
 
久しぶりの運動と、夏の気温、そして水分不足で意識が朦朧としてきた。ふらふらの僕の自転車のスピードは、おそるべき遅さでした。
 
買い物帰りの自転車に抜かされ、ランニングしてる人に抜かれ、歩いてるおばさんにすら抜かれる程。
 
時間的には16時前くらいだったけど、これ以上進むのは無理だろうと判断した僕は、今日の移動をやめて寝床を見つけようと思った。


兎にも角にも人生で初めての野宿。
そして人生で初めての野宿で、まさかあんなに恐ろしい出来事に遭遇するとは、、、
 
 
 
 
 
 

初めての野宿

 

 
一人用のテントを持ってきていたので、浜辺にテントを立てて野宿しようと思っていた。海辺付近を走っていたので、テントを立てられそうな場所は山ほどあった。
  
 
テントを立てる前に、先に夜飯を食べることにした。初めて携帯用のコンロを使用しての調理。
携帯用のコンロが中々上手く動かせなくてイライラしながらも、どうにか火をつけ調理した。
 
 
 
 

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初めての料理、ツナパスタ!
思ったより美味そうにできた、よし食べよう! 
 
と、思っていたんだけど、ツナがなんだか生臭くて腐っていた、、、
夏場でもツナの缶詰なら持ってきて大丈夫かと思ったんだけど、腐ってしまったらしい。
(今思えばそんな簡単に腐らないだろうと思います。当時は旅をし始めたばかりで、色々と過敏になっていたんだと思います)
 
 
 
 
しかたなく「ジャガイモ」と「おふ」を茹でるだけの料理に変更しました。
 
 

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お湯に醤油を入れただけなので、味も物足りないし、おふじゃお腹は膨れない。ひもじい。あーお腹空いた、、
家から出て数時間しか経ってないのに、早くも母の料理が恋しくなる。母って偉大だな。

お腹はまだまだ空いているが、とにかく寝てしまおうと思った。空腹は寝て誤魔化せば良いだろうという考えだ。

しかしこの思惑も簡単にいかない。海風が強いし、テントも自分で立てたことないから、めちゃくちゃ苦労する。テントを立てるために、ペグっていう釘みたいなものを地面に刺すんだけど、それの使い方すらわからないレベル。
 
1時間くらい四苦八苦してようやく立て終わった頃には、ヘロヘロになっていた。テント立てるだけでめちゃくちゃ体力使ったしイライラした。
 
 
 

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くそう、amazonで「簡単に立てられる」ってコメントに書いてあったのに嘘じゃないか。もう明日からテントなんて立てないぞ、、、
 
 
とりあえずもう今日は寝よう。18時くらいだったけど、夜は物置でずっと起きていて、早朝に出発したので、一日中自転車で走っていてヘトヘトだった、、、
 
 
 
 
 
 
 

謎の高校生2人組が浜辺に現れる。そして恐怖の、、、

 

 
 
 
テントに入ろうとしたときに、2人組の高校生くらいの制服を着た男達がこちらにやってくるのが見えた。
 
もしかして僕に絡んでくるんじゃないのか?カツアゲでもされるんじゃないのか、ナイフ持っているんじゃないか?怖すぎる。
 
怖いけど抵抗できそうもないので、テントに入って寝たふりをすることにした。高校生にビビる20代って・・・
 
 
そしたら高校生たち近くの岩場に腰をおろして、なにやら二人で言い始めた。わからないがかなり大きい声で何かを言っている。僕に向かって何か言っていたらどうしようかとハラハラした。
 
僕に向かって何か言っていた場合、無視するのが一番彼らの怒りを買いそうだ。そう思い、ビビりながらも彼らの言葉に耳を傾けるようにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「Say year!!
お前のアイデンティティは?日本に生まれて何をしたい?このままじゃ生きてるだけの俺ら死体、生まれてきたことわからないみたい?
どうした?何か言えるか?わかるか?
お前の番だぜ say hoo」
 
 
 
「yo yo!!
自分のことしか考えない!お前の将来は先がない!マイク構えた俺に敵はいない!お前のスタイル魂ない!
Say year」
 
 
 
 
 
 
  
 
 
ラップ!!!!
海辺で二人でラップやりだしたよ。
笑って寝られない、、、 
 
ちゃんと聞いていると二人して即興でやっているようだった。フリースタイルというやつだ。
すごい、よくあんな言葉がポンポンと出てくるなと関心する反面、やっぱりおもしろさが上回る。だってこっちはカツアゲされると思っていたら、ラップ始まったわけだから笑いが止まらない。
 
高校生が悪いやつらではなくて安心して、だんだんとウトウトしてきた。体力も消耗してかなり疲れていた。
彼らのラップを聞きながらも、だんだんと眠りに落ちていった。
 
 
 
「俺は母ちゃんに感謝、この人生にマジ乾杯・・・」
 
「違う!お前のスタイルはリリックが弱いんだよ!
いいか、俺のよく聞けよ!」
 
  
 
そんな言い争いを聞きながら眠りについた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(パチパチパチ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 何かが弾ける音がする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
同時に火薬がやけるにおいがする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(パチパチパチパチ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あははっはははっははは」
 
 
「なにこれウケルんだけど」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
テントの周りに人の気配がする。
僕の頭も、うっすらと意識が戻り始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
明るい光、何かがはじける音、火薬の匂い。そしてあきらかにテントの周りにいる気配と影。あどけない陽気な甲高い笑い声。
 
 
 
 
 
 
 
テントの周りを囲まれている。高校生だろうか。
花火を持った男に囲まれている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うわぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁあぁっぁ
こえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なにこれテント?」
 
 
「あっちに自転車あったし旅でもしてるんじゃね?」
 
 
「いやホームレスだろww」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恐怖で声を上げることすら出来ない。とにかく自分を落ち着かせるしかない。
 
 
大丈夫、大丈夫だ。
 動かなければ、大丈夫なはず。
 
 
落ち着け、素数でも数えて落ち着くんだ。
1、2、3、、、、あれ素数ってなんだっけ?
 
 
テントの中で心臓はバクバク、汗はだらだら。死神に首を掴まれいてる気分だ。一日目にしてこんなピンチに襲われるとは。 
 
でも大丈夫だ。今の若い人は草食だし、常識もあると思う。そんなにいきなり変なことするやつもいないだろう。
 
大丈夫、、、、
 
 
 
 
 
 
 
 
「なあ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「このテント花火で燃やさね?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あばっばばばっばばばばばばっばばばばばばばっばbっばばばばばばばばばっばばばばばb
 
おおおおおわっっっっっっっっっっっった
 
俺の人生あばっばbっばばっばばっばb
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もうほんとに半泣き。 
いっそ飛び出て戦おうか迷った。しかしそんな勇気も気力もない。
 
 
 
 
 
お母さん今までありがとう
先に逝く俺を許してください
そして大事な家族
ここまで育っておれ満足
歩んだ仲間たち、俺は先に旅立ち
say year
 
 
 
 
気持ちが動転しすぎて、夕方に見たフリースタイルのラップを心で唱えて覚悟を決めました。
ああ、もう死ぬんだ。旅に出て一日目。まさかこんな結末になるとは、、、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかし、そのとき。
 
 
一人の少年の声が僕を救う!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「おい、くだらねーことやってんじゃねーよ。そんなことして捕まってもつまらないだろ?あっち行くぞ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
助かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
【ごくせん】で言えば松潤。
【花より男子】で言えば小栗旬。
【ROOKIES】で言えば城田優。
【池袋ウエストゲートパーク】で言えば窪塚。
 
 
そんなヤンキーみたいな集団にいる冷静なキャラがいてよかった。 ほんとに助かった。何者か知らないけど救世主だ!!
 
 
 
 
リーダーらしき彼の言葉を聞いた他の高校生も 「それもそーだな。あっちいくかー」と納得した様子で僕のテントから離れていきました。
 
テントから黒い影が離れていくのを確認して、心から安心しました。やばかった、ほんとに汗が止まらなかった。
 
 
少年達の声が少し遠くから聞こえてきた。心臓はまだ少しバクバクするものの、安心でまた眠くなってきた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてようやく長かった一日が終わった。
 
 
 
 
 
 

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現在地: 神奈川県
走行距離 約40km
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一日目から心配なスタートでした。ほんとに怖かった。下手したら本当に事件になってたよね。
今思えば高校生も本当に燃やそうと思っていたわけでなく、笑いをとるために言っただけなんだろうなーとは思う。まあ、怖いことに変わりはないんだけど。
 

 
でもまだ1日目
こっから!まだ始まったばっか、俺はバカ?
俺の冒険どうだった?
 
say year